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2007.09.18

CONTENT'S FUTURE

AV系ジャーナリストの小寺信良氏と音楽配信メモの津田大介氏が、TV、ラジオ、音楽、テキストなどのコンテンツを作る人、配る人、管理する人達に、「コンテンツの未来」というお題で対談した内容を収めた対談集です。
「コンテンツの未来」というのは、要するに「何でもメディア」であるネットという新しいメディアとどう向き合っていくか、という話がメインです。もちろんアンダーグラウンドなものではなく、商業的な結びつきになりますから、タダが前提なネットメディアでどうビジネスするか、また著作権の問題をどう対処するかが大きなポイントになります。

CONTENT'S FUTURE ポストYouTube時代のクリエイティビティ (NT2X)(amazon)

この本に出てくる人達は、このネットメディアに危機感を感じるだけでなく、可能性を求めて自ら歩み寄っていった人達です。そしてネット上である程度の活動をしてきたうえでの経験談や持論が紹介されています。一人の評論家が理論だけでああだこうだと言っているのとは違い、そこにあるのは非常にリアルな声です。これが今まで巷に多数存在するメディア論本との大きな違いです。

逆にインタビュー集なので、コンテンツの未来に対する明確な結論は明示されていません。そこも一人の評論家が書メディア論本と違うところです。この人達は先行してコンテンツの未来に触れてきた人達であって、この本に書かれていることはもうすでに過去形なんですね。この先どうなるかなんて誰にもわからない、でも悲観される結末は迎えたくないよね、というのが全体的な流れです。あとは読者が何を考えるか。非常にリテラシーを要求する本でもあります。

これだけの人達にインタビューできる筆者二人の見識と顔の広さには驚きますが、コンテンツやメディアを語る上ではまだ足りない部分もあります。映画やアニメの製作会社、漫画家などのコンテンツメーカーや、出版社、新聞社などの旧来のメディア会社、ニュースサイト運営会社、着メロ配給会社などのネットメディア会社など、ざっと挙げただけでもこれだけ出てきます。ぜひ第二弾、第三弾も作って欲しいところです。

個人的には、「コピーワンスやDRMなど、どんなにコンテンツの使い勝手が悪くなっても、日本人は集団抗議などをしない。ただ、みんながコンテンツを使わなくなっていくだけ。その結果、気がついたら日本のコンテンツビジネスは崩壊寸前ということになりかねない」という意見があって、なるほどなと。すでにそういった傾向が見えているだけに余計にそう思いました。

さて、この本のもうひとつの大事な側面、それは筆者自らCC(Creative Commons)ライセンスを本に付けたことです。元々デジタルメディアを想定して作られたであろうCCをアナログメディアである書籍に付けたことに対する意味については、すでにネット上で議論されているようで、筆者の一人である小寺氏もITmediaで記事にしています。本人達が意図する目的はそちらを読んでいただくのがよいと思いますが、確かにネット上での議論(というか話のネタに)を期待しているのであれば、例えばBlogから簡単に引用できるような形にしてほしいなぁと思います。

ページも多く、内容も濃いので、一度読んだくらいでは本質は見えてこないんでしょうね。もうちょっと読み込んでみます(新書サイズなら通勤時間とかに読みやすいんだけど)。

そうそう、この本にTBSラジオの人が出てきますが、私もラジオというメディアはもっと見直されるべきだと思います。まずはiPod連携したHDDレコーダーとか。

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