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2004.10.27

鳩笛草 ほか/宮部みゆき

鳩笛草―燔祭・朽ちてゆくまで(amazon)

読了しました。宮部みゆきさんの超能力ミステリー3編です。

「朽ちてゆくまで」
子供のころに事故で記憶喪失になった女性、唯一の肉親である祖母の死去のあと、自宅を整理しているときに出てきたのは、死んだ両親が自分の子供の頃を映した、大量のビデオテープだった・・・。この作品は、予知能力を持っていた主人公の物語ですね。解説にも書いてありましたが、さかのぼっていくストーリー展開は、いかにも宮部さんらしいですね。

「燔祭(はんさい)」
ある日、新聞に載った焼死事故、それは、妹を理不尽な殺され方で失った男への、「復讐遂行」のメッセージであることに気がついた・・・。以前レビューを書いた長編小説、「クロスファイア」の元になった短編です。熱を放射する能力を持ち、それを正義のために使う女性の話ですが、ここでは、その女性に「処刑」をさせてしまった男が主人公になっています。このストーリー展開も、ある事項が終わるところから始まっているのが特徴です。

「鳩笛草」
人に触ったり近づいたりすることで、その人の心を読み取る力を持った女性刑事。彼女は、いろいろな事件を追っているうちに、その力が弱まっていることに気がついた・・・。心を読み取る力によってスピード出世した主人公が、その力を失ってしまうことを恐れて、そして立ち直っていく話です。起こる事件はそれほどではないですが、それがかえって身近に感じられます。

解説にも書かれていますが、ここで取り上げられている3編の特徴は、超能力という超日常的な事柄を扱いながら、おおげさなSFとして取り上げるのではなく、それを日常の中に取り込んで、そして人間くさく悩んでいる姿が書かれていることです。そのおかげで、非日常的な主人公たちに親近感を感じでしまうところが、宮部さんらしいと思いました。面白かったです。

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» 宮部みゆき 「鳩笛草」 [ご本といえばblog]
宮部みゆき著 「鳩笛草」を読む。 このフレーズにシビれた。  で、トリさんの説では、その匂いが、一部の危ない人々に働きかけて、心のねじを緩めちまうんだって。... [続きを読む]

受信: 2004.12.28 23:05

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